SES業界の不都合な真実…と抜け道
今、業務委託で技術者を探すと「素晴らしい技術者どころか、普通の技術者にも、なかなか出会えない」という話をよく聞く。
「素晴らしい技術者」ともなると、太平洋に迷い込んだ金魚を探すようなものだ。
さて「素晴らしい技術者」と表現したが、どんな技術者のことだろうか?
「素晴らしい」には様々な定義があるが、SES業界で言えば「顧客満足度が高い技術者」が、そう表現される。
そして、顧客満足度が「高くも低くもない」技術者が「普通な技術者」となる。
あくまで私の感覚値だが、1割が「素晴らしい」、6割が「普通」、残3割が「至らない」技術者である。
「普通と素晴らしい合わせれば、7割もいるじゃないか!」
「だったら、普通の技術者は、すぐ見つかるでしょ?」
…と思うだろうが、これは間違いだ。
今は、空前の技術者不足である。
「普通の技術者」レベルであっても引っ張りだこである。
ゆえに、ビジネスとしてオイシイお客様への紹介が優先される。
市場に出回るのは、残った「至らない」技術者ばかりである。
SES提供会社が考える「オイシイお客様」は、ハッキリしている。
多人数発注してくれて、稼働が安定(残業少ない)していて、長期間発注してくれるところだ。
しかも、過去の取引で、問題無く続いているところを最優先にする。
ビジネスでは、当たり前のことだ。
冒頭のような話を聞くたびに「素晴らしい技術者1名だけを、安く、すぐ簡単に手に入れられると思っていないか?」と疑う。
こういう顧客はよほど個人的に仲の良い営業マンを見つけない限り「非注力顧客」扱いになり、提案される技術者は、だいたい「至らない」レベルになるだろう。
残念だか、これが真実だ。
それでは、予算が少なく、初めて発注するような企業の場合、必ず「至らない」技術者しか提案貰えないのか?と言うと、そうならない抜け道もある。
方法はふたつ。
1.1社の営業マンに独占的に探させる
2.魅力的な条件にする(単価と募集人数以外で)
1に関しては、細かく説明するまでもないと思うが「1名枠に多数の会社から募集します」といわれるよりも「御社独占で、まずは探してください」と言われた方が、営業マンは頑張る。
2に関しては「在宅作業が可能」「面白そうな技術を使っている」「該当技術は未経験でも挑戦OK」など、技術者に直接響く条件を提示すれば良い。
「金がなければ工夫をする」
これもビジネスでは基本的なことだが、SESで技術者を探す場合にも同様である。
発注側が、この程度の工夫をするだけで、良い技術者が手に入りやすくなったりするものだ。