SIer関連メモ書き

SIer関連のメモ書きをしておきます。お客様向けも、業界人向けも、ごっちゃまぜ。

オフショア開発の正しい使い方

最近よく「技術者が採用できない」という悩みを相談されます。

昨今の技術者不足は説明するまでも無いかと思いますが、いざ自分でも探してみると本当に痛感させられます。
テック会社を経営している身としては、技術者採用がダイレクトに経営数値につながるので、本当に困っちゃいます。(皆さん採用するの辞めてw)

さて、そんな時は皆さんどうしてますか?
私の場合、ケースによってですが「オフショア開発どうですか?」と提案してます。

…で、大体皆さん同じような反応が返ってきます。

「だってオフショア開発って失敗するでしょ?うちじゃ使えないよ」

はいはい、分かります。
そう思っちゃう気持ち、よくわかります。

でもこれ誤解なんです!

今回のエントリーでは、その辺の誤解を解いていきます。
興味ある方は、是非お読みくだされ!

 

オフショア開発は上手くいかない?

正直、上手くいってないケースは多いです。
ネット記事では成功してるケースもありますが、あれは企業のPRのためで、話半分で見た方が良いし、そう読んでる方も多いでしょう。
そして、失敗ケースは表に出ないため、詳細をぼやかした「悪い噂」となって伝わるのですが、残念ながら、この悪い噂の方が圧倒的に多いです。

こうした事実は、オフショア開発を商品としている我々としては困ったものです。

では、実態としては、どうか?

数年間オフショア開発をやっている我々からするとハッキリ見えている事があります。
それは「成功しやすい案件では大体成功し、失敗しやすい案件では大体失敗する」ということです。
要するに「正しい利用用途が判れば、使えますよ」ということ。
これが分かってないため、不向きな案件に利用して、失敗しているのでしょう。

 

上手くいかない理由

正しい利用用途を説明する前に、失敗する理由、不向きな理由?と言ってもいいかもしれませんが、それを説明します。
よく言われる話ですが、上手くいかない理由として「4つの壁」が挙げられます。

  • 言葉の壁
  • 文化の壁
  • 距離の壁
  • 高品質の壁

この壁達が、高いこと、高いこと。
細かく一つ一つ説明する必要はないと思いますが、共通して言えるのは、日本人は日本語しか話せないせいか、異文化への理解、許容範囲が狭いです。

弊社の提供しているオフショア開発はベトナム拠点ですが、中国やフィリピン、他のアジア各国であっても似た話になるかと思います。

この辺を理解せずに、かつ不向きな用途で使ったら、そりゃー失敗もしますよ。

お客様の要望と提供サービスに矛盾がある

「今すぐオフショア開発を利用したい!」という依頼をいただくケースがあります。
売手としては大変ありがたいのですが、これらも大体は失敗に終わります。

こういう依頼をざっくり分類すると以下になります。

  • 激安で作りたい
  • 少額で試しに利用したい
  • スポットで大量に技術者が欲しい

本来、断らないと行けないのですよ、こういう依頼は。

でも、オフショアについているイメージが、
「安い」「少額で頼める」「大量に技術者がいる」
となってしまっているので、売手側もついつい売っちゃうわけです。

開発会社と名乗りながら、正社員が営業しかいないような「ブラックSES会社」が、まともに教育してないような外国人技術者を、無理やり売っちゃうわけですよねぇ…。

こうして、失敗案件が増えていくわけです。

 

正しい利用用途・方法は?

ズバリ、以下の3つのケースであれば、利用をオススメしています。

  • 大規模受託開発
  • 小規模開発チーム
  • 運用サポート

 

大規模受託開発での利用

最近は少なくなっていますが、大型SI案件をやる場合、ガチガチのウォーターフォール型で製造のみを大量の人数にやらせます。
これにはオフショア開発が使えます。
テストケース、コード品質さえ担保されれば、誰が書いても同じわけですから、安ければ安いほど良い。
事実、かなり安く抑えられます。
王道の使い方ですね。
この際、新興のオフショア会社に発注するではなく、大手オフショア会社にした方が安全でしょう。

小規模開発チームでの利用

「小規模の単発開発での利用」ではないですよ!小規模開発"チーム"での利用です。
開発者が数名しかいないような小規模チームに、技術者を追加したい場合、SES契約で日本人を追加しても良いのですが、オフショアメンバーを加えた方が、それに比べて30〜40%くらいは安く済みます。
社員を雇えれば、それに越したことはありませんが、すぐに社員を雇えないのであれば、この方法がオススメです。
いわゆるラボ型開発と言われるやつです。

運用サポートでの利用

ある程度マニュアル化出来る比較的単純作業を長期間お願いするのも向いてます。
定期的にバージョンアップがあり、その都度、テスト工数が必要だったり、手運用が無くせない場合などです。
こちらもラボ型開発ですね。
小規模チームで、かつ運用も兼ねているような場合にはラボ型開発は最適です。

 

他にも選択肢があるケース

売手の悩みですが、オフショア開発には同業以外にも多数の競合がいます。
代表的な競合が、以下の2つ。
クラウドソーシングとニアショア開発です。
ご相談いただく案件によっては、クラウドソーシングとニアショアの方が良い場合があります。

具体的には、以下のようなケースです。

小額受託開発

これは、完全にクラウドソーシングに依頼した方が良いです。
またはフリーランサーに直接依頼するなどですね。
100万円未満の小さい案件では、絶対にそうした方が良いです。

小~中規模受託開発

小~中規模受託開発であれば、ニアショアがオススメです。
東京の人月単価と比べて20~30%安いので、オフショア開発と比較しても悪くないケースが多いです。
「会って仕事をする」ことに拘りがないのであれば、これもオススメです。

上記二つのケースは、オフショア開発でも一応対応は出来るのですが、上記に比べると満足のいく結果にならないケースもあります。
私なら積極的に提案しません。

 

まとめ

長々と書きましたが、簡単にまとめます。

  • オフショア開発には向き不向きがある
  • 向いてる案件は、大規模開発、小規模チーム、運用サポート

そして、使い始めるなら今です!

上記したような誤解があるので、未だにオフショア開発は人気がありません。
逆に人気がない今だからこそ、適正以下の価格で手に入ります。

弊社でもラボ型開発の提供をやっているので、是非、お問い合わせくださいませ~♪

お問い合わせ | デジタルマーケティングテクノロジーのEVERRISE(エバーライズ)