SI業界叩く前に発注者のRFPを見直せ!
先日、RFP(提案依頼書)をいただいた。
この内容があまりに酷かったので、ダメな点をメモしておく。
SI出身者が社内SEになって、初めて書きました的なクオリティーだった。
SIerを否定する声は多いけど、こんな酷いRFPしか書けない発注元から正した方が良い。
守秘義務があるので内容には一切触れないし、作りたいシステムの中身はこのエントリーの主題とは関係ない。
何がダメなのか?だけを書いていく。
目的に数値がない
RFPを書く人にKPIという言葉を知らない人が多い。
どんな数字を達成したいか、明記すべきだろう。
例えば既存社内システムからのリプレースなら、オペレーションの改善時間などは、当然書かれるべきだ。
それらの数字からROIが出せて、提案する側も予算感が見える。
曖昧な表現が多い
使いやすい、容易な入力、視認性が良い、ストレスなく動作する、etc
といった曖昧な表現が多い。
そのようにRFPに書けば、SI側が満たしてくれる(後で直させられる)と思っている。
新規開発するシステムのUXが最初から完璧だとでも思っているのだろうか?
初期に満たせる要件と、アジャイル開発で何度も改善しないと満たせない要件の、整理がついてない。
開発期間が長すぎる
全部一気に作り切ろう!と言う意気込みはわかるが、1年近く先の全スケジュールを最初から立てられるわけがない。
要件定義どころか、実現性調査すら済んでないもので、期間と費用を出せという。
加えて、1年近くかけて作ったシステムを、リリース直後に全社展開したいとか…。
どう考えても、ハードランディングになるだろうよ。
予測を提示させたがる
「サーバの構成と費用を提示ください」
「バッチの処理時間を提示ください」
「保守にかかる費用を提示ください」
要件定義すら済んでない上に、1年近く先に出来上がるシステムの付帯費用って何ですかね?
サーバ費?クラウド使おうよ!
バッチの処理時間?並列処理化してインスタンス並べるか、hadoop系で組もうよ!
保守費?出来上がってもないシステムの保守費って何よ?
やたらに長いし、細かい
読む気が失せるくらいにRFPが長い。
納品物の詳細、納品方法、出力したい帳票類、接続したい別システムの仕様書、etc
全部一気に伝えたい気持ちはわかる。
ただ、資料のボリュームがあると、本質から焦点をずらす結果になる。
それが分かってない。
他にも沢山ツッコミどころがある。
もう、まるで分かってない。
こうして、まるで分かってないシステム担当者が書いたRFPをベースに、提案された酷い計画書を元に、ダメSIが実施され、ガラパゴスシステムが量産される訳だ…。
なんだか、悲しくなる。
どうすれば良いか?
要件を整理することすら出来ない社内のダメ人材に任せるのではなく、プロにお願いすべきだろう。
しかも、昔ながらのSIじゃなくて、正しいIT戦略投資を計画できるプロのCIOサービスに頼んだ方が良い。
事業会社のIT部門が、早く改善される日が来る事を願う。