近頃話題のDX、本当は何をやればいいの?
最近、デジタル・トランスフォーメーション(以後、DX)というキーワードが浸透してきているのを感じると共に、以下のような悲観的な意見をちょこちょこと見かけます。
2020年は「デジタル・トランスフォーメーション」がキーワードとなって、様々な情報技術が一般の企業に導入されて、生産効率の向上などを目指しますが、実際には、ほとんどが計画倒れに終わります。そこで得をするのは 、それを請け負う IT ベンダーだけでしょう。#メルマガのネタ #2020年の展望
— Satoshi Nakajima (@snakajima) 2019年12月13日
正直、儲けさせていただく側の立場である私としても、計画倒れになるのを同様に危惧しています。
社会価値が無いですよね。
…というわけで、そうならないために、私なりに正しいDXのやりかたについて、本エントリにて説明させていただきます。
少しでも参考になれば幸いでございます。
そもそもDXって何?
まずは、経済産業省から出ているレポートを見てください。
色々と課題が書いてありますが、企業は以下の指針に則って、IT投資対策をした方が良いと記載されてます。
この画像だけみればほぼOKです。
効率の良い投資方法や、システム構築の組織やプロセスについて言及されているだけで、具体的にどう変わっていくべきか?の指針は示されていません。
具体的な変更の指針は、業界ごと会社ごとに異なるため、国が一括で指定するのが難しいのは理解できます。
とは言え、このままでは「2025年の崖」という言葉だけが独り歩きして「必要性の薄い基幹系システムのリニューアル」が実施されたり、具体的な減税があるIoT関連だけに投資がなされそう。
それは、経済産業省も本望ではないはず。
では何をするの?
DXを成功させるには、各会社のIT投資に対する考え方を変える必要があります。
具体的には
コスト削減、業務効率化 から 売上・利益アップ
への意識改革です。
コスト削減、業務効率化は、既存のビジネスを前提にして、プロセスを自動化したり、不要なプロセスを排除したりといった行為です。
既存ビジネスの延長線の中で考えていて、いわゆる連続的成長になります。
これはDXではありません。
では、売上・利益アップで考えると何を変える必要があるのか?
それは、
何を売るか?どう売るか?を起点にIT投資を考える
ことになります。
この過程で、顧客が望んでいるものを考え、売場をオンラインに変えよう、契約をサブスクリプションに変えよう等のビジネスモデルが変わるような、非連続的な成長が出てきます。
ケーススタディ
実際、自分がDXを推進する立場になったとして、衰退産業の象徴としての「本屋さん」をDXするケースを考えてみましょう。
いままでのIT化発想だと・・・
- 無駄な店舗オペレーションを最適化
- 売れ筋商品をいち早くつかんで目立つ棚に置く
- 店員不要な無人レジ化
- 流行のキャッシュレスに対応
といった提案になっていました。
では、DX的な発想で考えてみましょう。
- 店舗に来るまで分からなかった在庫をネットで検索できるようにする
- 見つかった書籍をボタン一つで15分後には宅配できるようにする
- 自分の買った本を書店の中で格安に保管できるようにする
- 保管している中古の書籍をその場で中古販売できるようにする
- 書店経由で電子書籍を買ったお客様にはリアルな本を無償で貸し出す
- 色々な書籍が読める体験をサブスクリプションで提供する
といった具合です。
1つ1つのアイディアについて説明は省きますが、全てのアイディアで、書籍を売って終わりだった顧客との関係性を、継続的に取引が出来る関係性へと変えています。
また、地域に密着したリアル店舗という強みを最大限に発揮することで、ネットの脅威(Amazon)に対抗できます。
これが正しいDX的な発想です。
それだけではDXには足りない
実は上記したアイディアを実施して、仮に上手く行ったとしても、DXには足りません。
他のお店や、大手事業社に真似られて終わりです。
では、何が必要か?それはデータです。
色々なところで「データが大事!データが大事!」と何度も見かけているかもしれませんが、まさにデータが大事です。
顧客との関係構築するうえでえたデータは、他社は早々追いつけません。
そのビジネスにおいての一等地を、先に抑える感覚に近いです。
また、データが膨大になればなるほど、改善や予測がしやすくなります。
一見、同じサービスを提供しているように見えて、事実の積み上げであるデータを元に強くなっていったビジネスと、真似ただけのビジネスでは、中身がまるで違うでしょう。
まとめ
DXという抽象的な言葉を、私なりに具体的に説明してみました。
そもそも正確な定義のない言葉なので、私の説明とは意見が違うという人も多数いらっしゃるでしょう。
重要なことは、デジタル化した社会において、最適なIT投資をしていく際に、誤った方向に行かないことです。
自社のやろうとしているDXが正しいか?もっと良い未来はないのか?常に意識して、恐れずに変えていきましょう。
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